千樹の大江山です。
幼い頃、初めて京へ出た千樹はそこで出会った少年達に鬼だとからかわれ石を投げつけられました。
それを助けたのが絵の右に立つ青年、冬馬でした。千樹は一目で恋に落ちました。
それから2ヶ月が立ち、他の子達より成長が早い千樹は1ヶ月年上の万友と
並んでも歳の差を感じさせないくらい大きくなりました。
選考試合優勝の数日後、夏祭りで冬馬と再会します。
花火が上がる祭りの夜、選考試合から忘れられなかったと冬馬から突然の告白を受けます。
2人はその日から冬馬の愛鳥の鷹に手紙を結び付けての文通がはじまりました。
討伐の合間を縫っては2人は密会していました。
が、やがて冬馬の父親にそれがバレてしまい、
以前から道場を大きくしようと家柄のいいお嬢さんとの婚約話をすすめていた父親は、
大風家に大金をもって乗り込んできました。
イツ花と時雨によって追い返されましたが、二人は引き裂かれてしまいます。
父に認めてもらおうとした冬馬は置手紙を残して大江山へ登ります。
しかし、冬馬の隊は壊滅状態、唯一生き残った男は、
冬馬に助けられたといい残し、息絶えました。
大江山から帰還した千樹を待っていたのは、
思いつめた時雨の姿と永久に君を愛すいう彼が残した最後の手紙だけでした。
千樹は死ぬ間際、冬馬の幻を見て花火の事を口にしていたので、
もしかしたら冬馬が迎えに来てくれていたのかもしれません
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