「ごめんなさい」
美朱は氷馬の母親で、13代目当主です。
美朱は実の弟の紫影と舞を深く愛した人でした。
病弱で繊細で無邪気でそれ故に時に人を傷つけてしまう事もしばしば。
その主な犠牲となっていたのが息子の氷馬でした。
確かに息子を愛してはいるけれど、反面、自分の人生を呪ってる部分もあり、
無邪気で可愛い氷馬を見てるとつい意地悪をしたくなる・・・という具合でした。
そんなある日、紫影に自分の想いをぶつけ、
氷馬の目を見てるのがつらいという母の姿を氷馬は見てしまいます。
物音で氷馬に気付きますが、一番知られたくない相手に
知られてしまったというショックで頭が真っ白になる美朱。
追いかけていった紫影のやめろという声で我に返ります。
紫影が言うには包丁で目を刺そうとしていたとか。
美朱は思わず氷馬を抱きしめ、謝りますが、それ以降、
氷馬は美朱と目をあわそうとはしませんでした。
たった一度、美朱の死の間際に目を合わせるまでは。
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